北北東の風 Blog

ひまわり8号

2014年10月7日14時16分00秒(JST)に、ひまわり8号が、種子島宇宙センターからH-2A 25号機に乗っけられて、打ち上がりました。

14時44分、無事に衛星の切り離しに成功しました。
これで、衛星側に問題がなければ、トランスファー軌道を経て、静止衛星軌道にのります。静止衛星軌道は、地球から、約35,800km上空から写真を撮ります。

概要

ひまわり6・7号(MTSAT-1R/2)からどう変わるのか確認しておきましょう。

要素 ひまわり6/7号 ひまわり8/9号
静止位置 140E/ 145/E 140E
運用開始日 2005年6月28日 / 2010年7月1日 2015年夏頃
バンド数 可視:1 赤外:4 可視:3 赤外:13
観測頻度 全球 1回/hour 半球 1回/hour 全球 6回/hour 日本付近(2分割) 4回/10min. 指定エリア 4回/10min.
解像度(赤道上) 可視:1km 赤外:4km 可視:0.5-1km 赤外:1-2km

スペックがかなり向上しています。

詳細

観測バンド

チャンネル(6/7号) チャンネル(8/9号) 波長(um) 分解能 備考
1 (VIS_Blue) 0.43-0.48 1km
2 (VIS_Green) 0.50-0.52 1km
VIS 3 (VIS_Red) 0.63-0.66 0.5km
4 0.85-0.87 2km
5 1.60-1.62 2km
6 2.25-2.27 2km
IR4 7 2.25-2.27 2km
WV 8 (WV_1) 6.06-6.43 2km
9 (WV_2) 6.89-7.01 2km
10 7.26-7.43 2km
11 (SO2) 8.44-8.76 2km $$SO_2$$の観測
12 (O3) 9.54-9.72 2km $$O_3$$の観測
IR1 13 (IR1_1) 10.3-10.6 2km
14 (IR1_2) 11.1-11.3 2km
IR2 15 (IR2) 11.5-12.5 2km
16 13.2-13.4 2km

ひまわり6/7号については、若干不正確ですが、いろいろ見えるようになるようです。それぞれの波長帯で具体的に何が見えるのか、組み合わせることで何が見えるようになるのか、などは、どの波長帯が何に吸収や透過されやすいかを見極めた上で使っていくことになります。

通信所

2箇所になります。意外と知られていないのですが、気象庁が所有するひまわりの受信設備付近で雷雨が起きると、画像がとれなくなったり、ノイズが乗ったりするんですが、受信設備が2箇所になることによって軽減されます。このインパクトは、結構大きいです。

まとめ

というのが表面上の違いです。これがもたらす影響ですが、

といったことが挙げられますが、少し前の気象学会とかの口頭発表とか探せば、気象庁の狙いとかがはっきりすると思うのですが、これは、又の機会に。

新しいプロダクトはワクワクしますね。

補足

WMOによる現状の世界の静止気象衛星。

名称 位置 備考 カッコ内は打ち上げ日
MSG (Meteosat-10) 0 deg EUMETSAT (ヨーロッパ) 運用中 (2012/07/05)
Meteosat-8 3.5E EUMETSAT (ヨーロッパ) スタンバイ (2002/08/28)
Meteosat-9 9.5E EUMETSAT (ヨーロッパ) 運用中 (2005/12/21) Rapid Scan用
IODC (Meteosat-7) 57.3E EUMETSAT (ヨーロッパ) 運用中 (2002/08/28)
INSAT-3C 74E ISRO (インド) 運用中 (2002/01/24)
Kalpana-1 74E ISRO (インド) 運用中 (2002/09/12)
Electro-L N1 76E RosHydroMet (ロシア) 運用中? (2011/01/20)多数のセンサーが動いていない
INSAT-3D 82E ISRO (インド) 運用中 (2013/07/25)
FY-2D 86.5E CMA (中国) 運用中 (2006/11/05)
INSAT-3A 93.5E ISRO (インド) 運用中 (2003/04/10)
FY-2E 105E CMA (中国) 運用中 (2004/10/19)
FY-2F 112.5E CMA (中国) スタンバイ (2013/07/25)
COMS-1 128.2E KMA (韓国) 運用中 (2010/06/26)
Himawari-6 (MTSAT-1R) 140E JMA (日本) 運用中 (2005/02/26)
Himawari-8 140E JMA (日本) スタンバイ (2014/10/08)
Himawari-7 (MTSAT-2) 145E JMA (日本) 運用中 (2006/02/18)
GOES-15 135W NOAA (アメリカ) 運用中 (2010/03/04)
GOES-14 105W NOAA (アメリカ) スタンバイ (2009/06/27)
GOES-13 75W NOAA (アメリカ) 運用中 (2006/05/24)

運用開始日は実際にはこれよりもっとあとになるので、気象衛星としての世代とはあんまり関係がなくなるので、打ち上げられた日が記載されています。

こうやって見ると、全体的に老朽化が激しいですね。比較的最近打ち上げたと思われる、先進国の衛星にアメリカがのGOES-15があるんですが、実は、中身は、他の衛星と同世代になります。

こうやって見ると、ひまわり8号は、世界最新鋭の静止気象衛星といっていいでしょう。

各国とも、今後リプレース計画がたてられており、アメリカは、2016年以降、次世代GOESを。EUMETSATは、2020年台に次世代METEOSAT(MTG)を打ち上げる予定となっています。

MSG(Meteosat)は、比較的新しいので、時期打ち上げは少し先の予定になっていますね。

ロシアは東西に大きいのに、意外と数が少ないのは、北の方に位置していて、しかも、海洋の影響がさほど大きくない地域が多いので、静止気象衛星にはあまり関心がないのかもしれません。

詳細はWMOのページを見てください。

参考

三菱重工カウントダウンレポート

気象庁衛星センター

Satellite Status|WMO